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実はすでに体現していた「地味にすごい運動の終わり方」

brilliantdream21
9月9日
読了時間: 5分

先日、科学雑誌ニュートンを読んでいると

「運動は楽にすると継続しやすい」という内容で、

成人46人を対象にしたエアロバイクの

実験が紹介されていました。

 

臨床検査技師として長く医療現場にいましたし、

今は毎月のように登山教室を開いています。

だから、この手の話にはつい反応するんです。

思わず

「ああ、これはわたしの登山教室でやっていることと同じだ」

と声が漏れました。

 

今日は、この実験の話と、

そこから私が登山教室で実践していることについて、

少しお話ししてみたいと思います。

 

46人のエアロバイク実験

記事によると15分間のエアロバイク運動を、

参加者を二つのグループに分けて行います。

グループ①は運動の強度を徐々に上げていく方式。

グループ②は逆に、最後にかけて強度を徐々に下げる方式です。

 

運動している最中の快・不快の感覚は、

両グループでほとんど差がなかったようです。

ここまでは、まあそうだろうなという感じですよね。

しんどいことはしんどい。

 

でも――ここからが面白いところで、

運動が終わった直後の楽しさの評価は、

グループ②のほうがはっきりと高かったこと。

しかも1週間後にもう一度尋ねてみると、

グループ②のほうが「楽しかった」という記憶と

「次もまたやってみたい」という気持ちを、

より強く保っていたこと。

 

同じ運動量、同じ運動時間なのに、

最後をどう終えるかだけで、

記憶に残る印象がこんなに変わってしまう。

これ、地味にすごいことだと思いませんか。

 

ピーク・エンドの法則、という考え方

この現象は、心理学で

「ピーク・エンドの法則」

と呼ばれる原理があるようです。

 

つまり、人は何かを体験したとき、

その体験全体を平均して評価しているわけではない、

ということです。

 

むしろ、一番感情が動いた瞬間(ピーク)と、

一番最後の瞬間(エンド)の印象だけで、

その体験全体を判断してしまう。

これが人間の記憶の癖のようです。

 

言われてみれば、たくさん思い当たります。

旅行の思い出も、途中でどれだけ渋滞にはまったかより、

最後に見た景色や最後の食事のほうが

強く記憶に残っていたりします。

 

会話も、途中の内容より

最後にどんな言葉で締めくくられたかで、

その人への印象がずいぶん変わる気がします。


運動も同じだった、ということなんですよね。

しんどい時間がどれだけあったかより、

「最後、どう終わったか」のほうが、

脳の中では大きな意味を持ってしまう。

 

「最後に追い込む」の逆をやってみる

この知見、実践への示唆としてはとてもシンプルです。

トレーニングの最後を、あえて厳しくしない。

ラストは軽いクールダウンや、

心地よいと感じられる程度の負荷で締めくくる。

 

それだけで、脳に「気持ちよく終わった」

という記憶が刻まれて、

次への心理的な抵抗がぐっと減るということです。

 

「最後の一踏ん張り」「ラストスパート」という言葉、

私たちはついつい美徳のように思いますよね。

でも、継続という観点だけで見れば、

案外それは逆効果なのかもしれません。

 

しんどさで終わった記憶は、

次に運動しようとするとき、

無意識にブレーキをかけてしまう。

これ、案外知られていない部分だと思います。

 

登山教室で、実はもう体現していたこと

私には思い当たることがひとつありました。

私が主宰している登山グループ

「楽しく2000mの山を登ろう」では、

下山した後に懇親会を設けることが多いんです。

 

これまで正直、

「登山後に、みんなでゆっくり食事でもしながら

話せたら楽しいだろうな」

というくらいの気持ちで続けてきました。

でも、今回のピーク・エンドの法則を知って、

実は脳科学的にもちゃんと理にかなっていたんだ!

気づいたんです。

 

登山という体験は、

正直しんどい瞬間がたくさんあります。

息が上がる登り、足がガクガクする下り。

でも、その体験の最後に何が待っているか。

ここが本当に大事なんですよね。

 

ご来光を見た瞬間の静けさ。

夕焼けが山肌を染めていく時間。

疲れた足元に咲いている花々を見た時。

森の中でふと感じる、少し神秘的な空気。

小鳥のさえずりが聞こえてくる瞬間。

そして下山後、一緒に登った仲間と

「あそこ、きつかったですね」

なんて笑いながら話す時間

これらすべてが、

実は「エンド」の記憶を豊かに

作っているんだと思います。

 

参加者の方々が口をそろえて

「これからも一緒に登りたいです」

とおっしゃってくださるのは、

登っている最中のしんどさより、

下山後の余韻のほうが、

記憶として強く残っているからなのかもしれません。

 

科学が、経験の意味を教えてくれた

私が長年感覚的にやってきたことに、

ちゃんと科学的な裏付けがあったんだ、

という気持ちになります。

 

友人が重度の病気から回復していく

過程を支えたときも思ったのですが、

体というのは、正しい方法で整えてあげれば、

驚くほどの回復力を見せてくれます。

 

運動の継続も、実は同じなんですよね。

根性で乗り切るものではなく、

脳の仕組みに沿った形で設計してあげれば、

自然と続けたくなるものになる。

 

登山教室での懇親会や、

山頂での景色、下山後の会話。

それらは、私にとっては当たり前の風景でした。

でも改めて振り返ってみると、

あれは科学的知見が言うところの

「エンドの記憶」を、

教室というより体験全体を通じて、

より豊かな形で体現していたもの

と思っています。

 

運動が続かないと悩んでいる方に、

ひとつだけお伝えしたいことがあります。

しんどさで終わらせないでください。

最後は、ちょっとだけ心地よく締めくくってみてください。

それだけで、次の一歩が、ずいぶん軽くなるはずです。

 

運動をしたくてもなかなか一歩を踏み出せないあなた!

この「ピーク・エンドの法則」を

体験なさってください。

興味があれば最後に記載している

電話までお尋ねくださいね(^_-)-☆

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